人々が日常を過ごす『家』は、建設された当時の生業や伝統、地域の自然環境が深く関わっており、古人の知恵が息づく貴重な財産です。しかし戦後の日本においては、ライフスタイルの急激な変化に伴って、長く住み継がれてきた家が取りこわされ、一世代限りの“使い捨て”とも感じられる住宅が主流となってしまいました。

ここへ来てようやく、古くても本当に良いものを再評価する動きや、限りある資源を有効に活用する資源循環型社会への動きが強まってきています。その流れの中で、先祖代々住み継いできた家を誇りに思い、再生したいと考える人が少しずつではありますが増えてきました。

そして、その想いを実現する技術と熱意が、ここ大津にもあることを頼もしく思います。


300年前の蔵の再生

解体作業&完成イメージ

「物置になってしまった蔵を家族5人がゆったり暮らせる家に変えたい」。大津市坂本に住むご家族が描く夢を叶えたのが設計者の大橋雅子氏でした。

大橋氏は、大手住宅メーカーやデザイン事務所の契約コーディネーターを経て、創業130年を超える大津の老舗建築会社・大輪建設株式会社の取締役に就任、同社の住宅コーディネーションを全て受け持ち、デザイン性豊かな設計を得意とする知性とバイタリティーがあふれる女性です。

依頼を受けた築約300年の古い蔵は、施主のお父様が亡くなる直前に屋根の葺き替えを行った、ご家族の大切な宝でした。

「父の蔵に対する想いを大切にしながら、なんとか住めるようにしたい」と考え始めた頃、“民家再生”に関するセミナーを地元の新聞で知り、そこで大橋氏に出会いました。

“手ばらし”による丁寧な解体を進めると、予想以上に老朽化が進みボロボロだったという蔵の状態。建物の歪みもあり、葺き替えた瓦を載せたままの難しい補正を行う必要もありました。

想定外の作業も含んだ工事が続く中、「工事担当者がしっかりと説明してくれるので、納得して任せることができました。」とお母様が語られます。

「大橋さんを始め、営業の方、大工さん、工事に係わる皆さんが本当に一生懸命やってくれました。古い建具を手摺りとして再利用することや、トイレの床を竹敷きにする提案など、まるで自分の家を建てているかのような真剣さを感じました。」

実際、柱などはその一つ一つが取り換えることのできない唯一の素材であるため、大工にとっても神経を使う慎重な作業にならざるを得ません。

らせん状に伸びる階段のステップを柱に刻む作業などはとても難しく慎重に丁寧に進められたそうです。

大橋氏の持つ民家再生への強い想いが、同じ気持ちになれるスタッフを引き寄せているように感じます。


住む人の想いが深まる

二胡の演奏会

竣工後は大橋氏の提案により、お友達やご近所の方、工事関係者等約100人を招いて中国楽器・二胡の演奏会を開催、生まれ変わった蔵をとても華やかな雰囲気の中で披露することができました。

後に、数十名のお客様が家に集まるような仕事を奥様が始められたのですが、蔵の再生と演奏会のような人が集まる経験がなければ、実現していなかったのかもしれません。

「もともと人が集まることが好き」とおっしゃる奥様にとって、ご自身の可能性を無理なく広げてくれる家なのでしょう。

形見の蔵を残したいという願いが大橋氏によって叶えられ、沢山の人が集う家に生まれ変わったことで、家に対するご家族の想いはこれからもより一層深まり続けそうです。


次の世代に残したいもの

解体前の古い蔵と民家再生後のイメージ

古い民家は質の良い木材が使われており、現在同じような木材で家を建てようとしても材料がなかなか手に入らず、入ったとしても大変高価です。

昔の大工はその地域の気候に合った木材を使い、自然の木の質を見抜き、それに合わせて建築する技術を持ち合わせていたため、昔の木造の家は美しく丈夫なのだそうです。

こういった古き良き部分を残すとともに、バス・キッチンなどは一新し、外断熱施工による『省エネ・高気密高断熱』住宅にするなど、現代の住宅事情にあったより快適な住まいを実現することが民家再生では可能です。

「環境を意識するシーンが確実に増えている今、もっと多くの人に“民家再生”の可能性を知っていただきたい。そして限りある資源と、住む人の心を次の世代につなぐお手伝いができればとてもうれしい。」と大橋氏は語ってくれました。

よみがえった蔵は、300年間大切に蔵を守ってきた人と、それを受け継ぐ人、そして大橋氏をはじめ再生を手がけた全ての人の想いが詰め込まれているようで、人の温もりが漂う本当に居心地の良い空間でした。



区切り線

「施主様と大橋雅子氏のインタビュー」
奥様は、築300年の蔵が雑誌に掲載されるような素敵なご自宅に生まれ変わることを、全く想像していなかったそうです。
また吹き抜けのある大きな空間にも関わらず一度温もると冷めにくく、冷やすと暑くなりにくい魔法びんのような快適さだとお母様が話してくれました。
大橋氏は「環境を意識するシーンが増えている今、もっと多くの人に“民家再生”の可能性を知っていただきたい、工事関係者が気持ちを一つにして施工した家で、今回のように喜びの声を聞かせていただけたことは、作る側の冥利につきます。」と語っていました。

大輪建設(株)

住所:滋賀県大津市別保ニ丁目9番48号
TEL:077-537-0751
FAX:077-534-3877

【アクセス】
●JR琵琶湖線→石山駅下車 徒歩10分
●京阪電車大津線→京阪石山駅下車 
  徒歩10分
●駐車場あり。

【サイトURL】
http://www.e510.jp/oowa/
http://www.oowa.co.jp/

大輪建設(株)マップ


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