豆知識

みなさんは滋賀県大津市について、どんなことを知っていますか? 残念ながら、
全国的には場所すらよく分からないという方が多いのではないでしょう か?
大津市は日本一の琵琶湖の南に位置し京都・奈良・鎌倉などとならんで古都指定 を受けた街で、かつては都が置かれ、源氏物語を生み、東海道最大の宿場町でした。
一見地味でも、実は自然と歴史と文化とまちが交じり合った奥行きのある”大津市”。まだまだ知られていないその魅力を、スタッフが発掘してご紹介していきま す。
(メルマガ”e湖都通信”に連載中の”大津豆知識”を再編集し掲載しています。)
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大津市

『仰木の棚田』

 

  滋賀県の豊かな自然を代表するような里山の風景が広がる、比叡山の麓、大津市北部の仰木地区。

 仰木の集落は、千二百年以上の歴史を持ち、仰木から伊香立方面に抜ける県道47号沿いには今も美しい棚田の風景が残っています。

 ご存知の通り、棚田とは、山麓や丘陵地の傾斜に作られた、階段状の田んぼのことです。

 仰木の棚田は、天神川の両岸の丘陵地にゆったりと広がり、畔(あぜ)の曲線はまるで等高線のように見えます。

 そして、比叡山や比良山の山並み、琵琶湖を遠望する仰木の棚田の壮大さは、全国的にも大変貴重だと言われています。

 そのなかでも、特に有名なのは「馬の蹄の形の棚田」です。呼び名の通りU字型の珍しい棚田で、仰木の里山の中でも最も美しい景観といわれています。

 「馬の蹄の形の棚田」は滋賀県出身の写真家、今森光彦さんの写真集、「里山物語」でも紹介され、多くの反響を呼びました。その景色を一目みようと、県外から訪れる方も多く、四季により様々な表情を見せるその景色は、写真愛好家の方や、風景画を描く方などにとても人気があります。

 また、棚田は、森や川の上流から流れでる水を受け止め、洪水や土砂の流出を防いだり、小動物・昆虫の住処となるなど様々な機能を発揮します。

 仰木の棚田・里山の美しい景色は、農家の方たちのたゆまぬ努力により保たれてきた、自然と人が共存する大切な空間です。

 しかし近年は農業の高齢化や後継者不足により耕作されなくなった棚田も多くなりつつあります。

 大津市や滋賀県では農村を活性化し棚田を含む美しい田園風景を守っていくため、様々な施策に取り組んでおり、放棄された棚田を復元し、保全していこうという活動が行われています。

 今、わたしたちの生活スタイルの急激な変化にともない「人と自然との深いつながり」が失われつつあります。仰木の里山はそんな現代人にもう一度、自然の恵みの大切さを語りかけてくれるのではないのでしょうか。

  ■参考ページ:滋賀県ページ 「今森光彦さんの里山ライフ」

  ■参考ページ:大津市ページ 「大津市内の棚田保全活動」


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『仰木の棚田』

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