豆知識

みなさんは滋賀県大津市について、どんなことを知っていますか? 残念ながら、
全国的には場所すらよく分からないという方が多いのではないでしょう か?
大津市は日本一の琵琶湖の南に位置し京都・奈良・鎌倉などとならんで古都指定 を受けた街で、かつては都が置かれ、源氏物語を生み、東海道最大の宿場町でした。
一見地味でも、実は自然と歴史と文化とまちが交じり合った奥行きのある”大津市”。まだまだ知られていないその魅力を、スタッフが発掘してご紹介していきま す。
(メルマガ”e湖都通信”に連載中の”大津豆知識”を再編集し掲載しています。)
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大津市

『湖国の春の訪れを告げる「比良八講(ひらはっこう)荒れじまい」』

 

 毎年3月下旬のこの季節、寒気がぶりかえし、比良山から突風が吹き  荒れることがあります。琵琶湖と比良山の温度差で突風が生じる自然  現象で、普段穏やかな琵琶湖も大荒れになります。  

 

 昔から滋賀では3月26日の「比良八講」が済むと、本格的な春がやって くると言われています。これを「比良八講荒れじまい」と呼びます。

 

  「比良八講」とは、天台系の行者たちが行う行事で、比良山系から取水 された法水(のりみず)を山伏姿の修験者や延暦寺の僧侶らが湖面に注ぎ、 物故者の供養や湖上安全を祈願する法要ことを言います。

 

 そして、もう1つ、こんな民話もあるそうです。

 

 むかし、むかし・・・

 

  一人の若い修行僧に恋をした娘がいました。娘は自分の恋心をうち明け ましたが、相手は修行の身。若い僧は「対岸の比良まで百日間通い続け ることができるなら、その時は夫婦になりましょう」と約束をしました。

 

  娘はその日から毎晩、対岸比良の燈火を目指してたらいを船にして通い 続けました。九十九夜、僧を想い通い続け、いよいよ満願の百日目の夜 を迎えます。この百日目にあたるのが3月26日。

 

  今日で願いが叶うと胸をときめかせ湖上に出るも、突然吹いてきた比良 おろしにより、対岸の燈火は吹き消され、湖面はみるみる間に荒れ始め、 遂に小さいたらい船は娘を乗せたまま琵琶湖に没してしまいました。 娘の儚い恋は願いの叶う百日目に終わりを告げてしまいました。

 

  この百日目にあたる、3月26日の前後に吹き荒れる比良おろしのことを 「比良八講荒れじまい」と呼び、この比良おろしは乙女の無念によるも のであるとも言われています。

 

  この民話は、琵琶湖周辺のあちこちで昔から語り継がれているそうで、 比良八講にはこの娘の供養の意味もこめられているそうです。

 

  今年もそろそろ「比良八講荒れじまい」が来る季節。 本格的な春の訪れの知らせはもうすぐやって来るかもしれません。

 

 

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『湖国の春の訪れを告げる「比良八講(ひらはっこう)荒れじまい」』

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