豆知識

みなさんは滋賀県大津市について、どんなことを知っていますか? 残念ながら、
全国的には場所すらよく分からないという方が多いのではないでしょう か?
大津市は日本一の琵琶湖の南に位置し京都・奈良・鎌倉などとならんで古都指定 を受けた街で、かつては都が置かれ、源氏物語を生み、東海道最大の宿場町でした。
一見地味でも、実は自然と歴史と文化とまちが交じり合った奥行きのある”大津市”。まだまだ知られていないその魅力を、スタッフが発掘してご紹介していきま す。
(メルマガ”e湖都通信”に連載中の”大津豆知識”を再編集し掲載しています。)
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大津市

『 坂本の里坊庭園 』

坂本の日吉大社参道付近、“穴太衆積み”と呼ばれる石垣に囲まれ、点在する「里坊」に足を運ばれたことがありますか?

里坊とは、比叡山で修業を終えた僧侶が隠居後に住んでいた屋敷のこと。
修行をしていた老僧が、延暦寺の天台座主から賜って住んだのが始まりといわれ、寺院というより生活の場として工夫された住居の性格が強く、いずれの里坊にも趣向を凝らした見事な庭園が造られたといわれています。

当初、里坊がいくつあったのかは不明ですが、現在は50数ヶ所が数えられ、坂本に残る里坊の街並みは、国の伝統的建造物群保存地区に指定されています。

毎年春には数ヶ所ずつ、普段は非公開とされている里坊が特別に一般公開され、秋には、名勝庭園をはじめ紅葉で彩られる一帯がライトアップされます。

庭園がある里坊の特徴は、穴太衆積みの石垣が美しいことや、石垣を土溜めにして土を盛って築山にしていること。
庭園の石には比叡山の豊富な山石や川石を用いており、大宮川・権現川などの水と比叡山の山麓という恵まれた地形から、池や流れを造った庭園が非常に多く残っています。


中でも著名な里坊の特徴を、一部ご紹介します。

旧竹林院庭園
里坊の中で最も格式高い寺院の庭園で国指定の名勝。
大宮川を引き込んで曲水とし、八王子山を借景とする回遊式庭園。
天正年間に建てられた2棟の茶室と四阿(あずまや)は大津市の指定文化財。庭園を眺めながら、抹茶を賞味できます。

滋賀院門跡
江戸時代まで天台座主となった皇族代々の居所であった滋賀院門跡は、ひときわ背の高い石垣と白壁に囲まれた外構えが特徴。
小堀遠州の作庭とされる国指定の名勝庭園は、縁側からゆっくりと鑑賞できます。
庭園は細長い形で、縁側の下はすぐに池になっており、池の中央には立派な石橋が架けられています。
石橋を渡ると滝口があり、権現川の水を取り入れた清流が音を立てて勢いよく流れ落ちます。

慈眼堂 (境内自由、堂内見学不可)
天海大僧正の廟所で、境内には江戸時代以降の歴代天台座主の墓があり、徳川家康や紫式部の供養塔もあります。

延暦寺の門前町として栄えた風情ある坂本のまち。

日吉大社まで散策される際は、見応えたっぷりの里坊、お庭めぐりもあわせて是非ご堪能下さい。

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坂本の里坊庭園

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