豆知識

みなさんは滋賀県大津市について、どんなことを知っていますか? 残念ながら、
全国的には場所すらよく分からないという方が多いのではないでしょう か?
大津市は日本一の琵琶湖の南に位置し京都・奈良・鎌倉などとならんで古都指定 を受けた街で、かつては都が置かれ、源氏物語を生み、東海道最大の宿場町でした。
一見地味でも、実は自然と歴史と文化とまちが交じり合った奥行きのある”大津市”。まだまだ知られていないその魅力を、スタッフが発掘してご紹介していきま す。
(メルマガ”e湖都通信”に連載中の”大津豆知識”を再編集し掲載しています。)
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大津市

『大切な人の無事を願う還来(もどろき)神社 』

 大津市の北西部、伊香立地区に、還来(もどろき)さんと呼ばれる神社があります。この辺りは丘陵地が広がっており、古来より京と若狭を結ぶ道が通じていることから由緒ある社寺が点在し、伝承も数多く残されているそうです。

 還来神社は、桓武天皇の皇妃で淳和天皇の生母、藤原旅子が三十三歳の若さで病気で亡くなった際、「故郷、比良山の南麓のなぎの木の根元に葬ってほしい」と遺言を残し、 死後再び生誕の地に戻ったことから神として祭られたのが由来です。
 約四百年後の一一五九年、平治の乱に敗れた源頼朝が 敗走中に同神社に立ち寄り、源氏再興を祈願したそうで、 後に平氏との戦いに勝利し、無事京都に戻ったことから、 戦乱の度に多く参拝者が訪れるようになったようです。

境内には御神木のナギの木が残っており、今ではひっそりと佇む静かな神社ですが、戦時中は江若鉄道(現在のJR湖西線)和邇駅から神社までの約六キロの道には、全国からお参りをする人が訪れ、長い長い列を作っていたそうです。みんな、戦争に行く家族や友人など、大切な人が無事生還できるように最後の頼みのようにこの神社にすがっていたのかもしれません。

平和な時代が訪れ、今では旅行や出張に行く際に近隣府県から年間百件ほどの祈願参拝があるそうで、参拝者の目的もすっかり変わってしまったようですが、いつの時代も、大切な人の安全や無事を願う気持ちは変わらないのかもしれませんね。

 




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『大切な人の無事を願う還来(もどろき)神社』

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