生 野 菜 の 殺 菌 方 法
「食と健康」 (社)日本食品衛生協会発行
日本食品添加物協会 顧問
山田 隆氏 著作
1996年に学童の死者を出したO157の事件は、カイワレ大根に菌が付
いていたのが原因と言われています。その後も、あまり騷がれてはいませんが、
O-157による食中毒は毎年おこっています。また、近頃は、有機野菜や、外
国から輸入される野菜が増え、細菌が野菜に付いている可能性も増していると考
えられます。
それでも、新鮮な生野菜は、ビタミンCやビタミンAをはじめ重要な栄養素も
含まれているし、ダイエットにもよく、またなによりおいしいので、好まれる食
品です。しかし、もちろん有害な細菌が付いていては困ります。だからといって、
葉をごしごしこすって洗うわけにもいきません。
さて、この解決法ですが、細菌を洗い落とすことと殺菌することが考えられま
す。しかし、その後生で食べるものですから、やたらなものは使えません。
◆ 生野菜の殺菌剤
よく洗い落とすためには、食品用の洗剤を使うのも一つの方法ですが、生野菜
の処理に使える殺菌剤にはどんなものがあるでしょう。これは、食品に直接使う
ので、食品添加物に該当します。
食品添加物の殺菌剤としては、高度さらし粉、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素
酸ナトリウム、過酸化水素があります。
このうち、高度さらし粉は、水に溶かして、生野菜を潰けておくのですが、使用
上の制限がありません。どんな食品に対してどのような使い方をしてもよいので
すが、独特なプールの水のにおいがします。
というよりも、プールの水の殺菌に、高度さらし粉か次亜塩素酸ナトリウムを
使っているのです。高度さらし粉は、水に溶かすと次亜塩素酸ができますし、次
亜塩素酸ナトリウムからも次亜塩素酸ができますので、このニつのものの殺菌作
用は同じ塩素の殺菌作用です。
高度さらし粉には、使用制眼がないのに対し、次亜塩素酸ナトリウムは、「ゴマ
に使用してはならない」という制限が付いています。
次亜塩素酸ナトリウムには、漂白作用がありますので、黒ゴマを漂白して白
ゴマに見せかけるようなことがあってはいけないのでこのような規則があります。
高度さらし粉の場合も次亜塩素酸ナトリウムの場合も、においがありますので溶
かした水に浸けて置いた後水洗いすると思いますが、特に洗わなければならない
という決まりにはなっていません。
亜塩素酸ナトリウムには使用上の制限がありますが、生野菜には使ってよいこ
とになっています。また、潰ける水に溶かす濃度の制限と、使った後に除去する
ように、すなわち水洗いするようにということも決められています。
◆ 今後使えそうな殺菌剤
現在のところは、生野菜の殺菌に使えるのは上記に述べたものだけです。
しかし、近く、新たに便利なものが現れそうです。
それは「酸牲電解水」というものです。
現在、食品添加物として認める手続きが進行中ですので、おそらく四月頃から使
えると思います。これまでの食品添加物とは少し趣が違い、「酸性電解水」を買っ
てきて使うのではないのです。
酸性電解水を作る装置を買って、使う工場や店で作るのです。酸性電解水には
二種類のタイプがあり、装置もそれぞれに応じたものになっていますが外見上
はあまりちがいません。
両者とも、できてくるものは次亜塩素酸ですから、殺菌剤の働きとしては次亜塩素酸
と同じです。
水道水など(飲んでもよい水)に食塩を入れておいて、電気分解して作るのが
「強酸性電解水」です。こちらはPHが2.7以下という強酸性で、副産物として、
強アルカリ性の水酸化ナトリウム溶液ができます。
もう一つは、水に塩酸を入れておいて電気分解して作るもので「徴酸性電解水」です。
こちらはPH 5.0 から6.5で、ごく弱い酸性です。どちらにしても、水の中に食塩または
塩酸を加え、スイッチを入れて、取り出し口から酸性電解水が出てくるようになって
いますので、これを使って洗うこともできますし、潰けておくこともできます。
使った後は、除去するように決められていますので水洗いが必要で |